マグマはどうやってできるのか
多くの教科書には
マグマが冷えてできたものを火成岩という
と書いてあって さらに
マグマが地表近くで急激に冷えたのが 火山岩
マグマが地下の深いところでゆっくり冷えたのが 深成岩
みたいなことも中学校の教科書に書いてあったし
火山岩 は 斑状組織
深成岩 は 等粒状組織
みたいなことも高校入試の題材としてよく出題されていた
では火成岩のもとになるマグマはどうやってできるのか
ということに関しては歯切れの悪い説明が多かった
なんらかの原因で地下の岩石がとけたものがマグマである
というような書き方が多かったが
岩石というものはそんなに簡単にとけるものではないし
そもそもマグマが冷えてできるのが火成岩なんだから
ニワトリが先かタマゴが先か みたいな話になる
(堆積岩や変成岩のもとは火成岩)
地上で岩石を1000℃くらいに加熱してもとけることはない
地下の深いところなら温度は高くなるだろうけど
そのかわり圧力が高くなる
マグマが生成しているとされる地下100kmくらいのところ(マントル上部)だと
1100℃くらいはあるけれど圧力も高いので1500℃くらいにならないととけない
そうなるとこのあたりでマントルの部分溶融がおきる条件は3通り
1:なんらかの原因で温度が上がった
2:なんらかの原因で圧力が下がった
3:なんらかの原因で水が混ざった
1:温度が上がってマグマが生成する場所
ハワイの近くでは火山島や海底火山が並んでおり
北西に行くほど古い火山があります。
つまり常に同じ場所でマグマができ
火山がプレートの動きによって北西へ移動しているわけです。
この場所は地下から高温の物質が上がってきているとされ
ホットスポットと呼ばれています。
2:圧力が下がってマグマが生成する場所
海底海嶺のようにプレート同士が離れていくような場所(発散する境界)では
圧力の低下によってマグマができると考えられています。
3:水が混ざることによってマグマが生成する場所
プレートが別のプレートの下に沈み込んでいく場所(収束する境)では
水が混ざることによってマグマができると考えられています。
このような場所は 島弧-海溝系 と呼ばれ
弧状に並ぶ列島と海溝とが並行して存在しています。
日本付近は2組の島弧-海溝系がぶつかっている(4枚のプレートが収束している)
世界で最も地殻変動の激しい地域(変動帯といいます)の1つで
地震や火山の極めて多い地域です。
(こうした自然現象による撹乱が高度な文化や文明を生み出してきたのかも)